ERP導入パートナーの選び方

ERPの導入パートナーの選定では、まず自社でRFPを作成し、それを複数のシステムインテグレータに開示、回答していただきます。そしてその回答を評価して、パートナー企業を決定します。
基本的には、ソリューション、導入スケジュール、体制、コストといった観点からRFPの回答を評価し、各項目について3段階や5段階で点数をつけます。そのうえで各項目に重みづけを行い、重みをかけた点数の合計点で、どの会社に依頼するかを決定します。プロジェクト開始後、なぜこの導入パートナーに決めたのか、の根拠を明確に示せるようにしておくことが重要です。
次にプロジェクトの成否に大きく影響する、導入スケジュール、導入体制、導入コストの3点について、RFPの回答の確認ポイントを説明します。

ERP導入は一般的には、業務改革の構想作成、新業務の設計、プロトタイプによる機能確認、不足する機能の追加開発、テスト、ERPへのデータ移行、稼働後のハイパーケア、といった流れで進めます。導入パートナーからの提案でも、この流れに沿った導入スケジュールが提案されることが多いと思います。
導入スケジュールの確認ポイントとしては、業務改革構想作成が導入スケジュールに含まれているか、プロトタイプと新業務設計が並行して実施されるか、テスト期間は十分に取られているか、データ移行期間は十分に取られているか、移行したデータでのテストが計画されているか、といった観点が挙げられます。

ERP導入ではプロトタイプを作成し、それを参照しながら業務設計を行うことで、ERPの標準プロセスに沿った新業務を設計します。新業務の設計をどのように進めるかは、導入パートナーによって差が出やすいポイントですので、特に注意して確認することが必要です。

また移行したデータでのテストを計画しない、もしくはサポートの対象外とする導入パートナーも存在します。こうしたパートナーに導入を依頼すると、システムはできたものの本番稼働ができない、という状況になりますので、選択すべきではありません。

業務改革構想作成は、システムインテグレータはサポートの対象外とすることが多いと思います。業務改革の構想を自社で立案できない場合には、このフェーズだけを切り出して、コンサルティングファームに依頼することも一つの選択肢です。

ERP導入の導入パートナー側の体制としては一般的には、プロジェクトマネージャーの下に、ERPの各モジュールの導入を担当する業務チーム、インフラを担当するインフラチーム、追加機能の開発を担当する追加開発チーム、テストを統括するテスト推進チーム、データ移行を統括する移行推進チーム、プロジェクトマネージャーを補佐するPMO、といったチームを組織します。

この導入体制の確認ポイントとしては、各業務チームに、業務プロセスの設計をサポートする担当者がアサインされているか、業務プロセス全体を統括できる担当者がアサインされているか、データ移行を担当するチームが明確になっているか、テストの推進を担当するチームが明確になっているか、といった点が挙げられます。

一般的な導入パートナーは、各業務チームに2名の担当者をアサインします。そのうちの1名は、業務の設計をサポートできるメンバーである必要があります。

また各業務チームの上位に、業務プロセス全体を統括できる担当者がアサインされているかを、確認することも重要です。この業務プロセス全体を統括できる担当者がいないと、ERPの機能をベースに、整合が取れたエンドツーエンドの業務プロセスが設計できず、プロジェクトが行き詰まる、もしくは莫大な追加開発が発生する、という状況に陥ります。規模の小さいプロジェクトではプロジェクトマネージャーが兼任することも可能ですが、その場合にはプロジェクトマネージャーを補佐するPMOに、優秀な人材がアサインされていることが必要です。

導入コストの確認ポイントとしては、ライセンス構成と数量は妥当か、コンサルタントの想定工数は妥当か、コンサルタントの国籍はどこか、想定している開発工数は妥当か、必要となるインフラ費用がすべて含まれているか、交通費などの経費は含まれているか、といった点が挙げられます。

導入コストは各社の提案を横並びにすることで、比較がしやすい評価項目です。各社の導入コストの差異に着目し、その差が何に起因しているかを調べていくことにより、提案内容の抜け漏れや、無理、無駄が把握できます。単に金額の高い低いではなく、妥当な金額かどうかを判断し、予算を超えていたら導入範囲を絞る判断をすることが重要です。

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