ERP更新時のRFPの作成方法

ERPパッケージとその導入パートナーの選定においては、まずERPパッケージの情報収集を行い、次にERPパートナーの情報収集を行います。
このときにはRFIを作成して数社のERPベンダー、導入パートナーから情報を収集し、候補を2,3社に絞ります。
その後、候補としたERP導入パートナーに対して、費用見積もりも含めた提案を依頼します。このときにRFPを提示します。
ERP導入パートナーから提案を取得したら、その提案に基づいてERPベンダーにライセンス費用を含めた提案を依頼します。
ERPパッケージ・導入パートナーすべての提案がそろったらその評価を行い、採用するERPパッケージと導入パートナーを決定します。

情報収集を目的としたRFIでは、自社の紹介、ERPを更新する目的、ERPで実現する機能範囲、ERPを導入する組織範囲、想定するスケジュール、インターフェースが必要となる主な周辺システム、などを記載します。
一方RFPでは費用見積もりを取得するために、RFIよりも具体的な情報提供が必要です。
そのため周辺システムや必要となるインターフェースの情報については、RFIよりも具体的に、想定するすべてのインターフェースと相手先の周辺システムを、記載する必要があります。
またERPのライセンスコストやアドオン開発コストを適切に見積もるために、想定する業務方式を簡潔に、かつ具体的に示すことが必要です。
ここでどのような業務方式をどのように導入パートナーに提示するかが、妥当なコスト見積もりの取得と、ライセンス費用の低減に向けて、特に重要なポイントになります。

想定する業務方式の記載方法を説明します。
この例ではプロジェクト型生産を行う工場での生産計画の立て方、受注との紐付け、BOMの持ち方、原価管理について説明しています。
RFPでは、業務プロセスに関する具体的な情報を、この例のようなレベル感で提示して、ERPの標準機能で対応可能か、対応できなければどのように実現するかを、導入パートナーに提案していただきます。

この想定する業務方式では、マスタ管理、原価管理、複数組織対応、に対するソリューションの確認が特に重要です。
具体的には
1. 勘定科目で自社の勘定科目体系が設定できるか、
2. 品目マスタのメンテナンスが標準機能で対応できるか、
3. BOMと工順がどのように関連付けされるか、
4. 原価要素別の原価積み上げができるか、
5. 複数会社、複数工場を1つのインスタンスで管理できるか、
6. 製品の仕様を管理するマスタがあるか、
といった点が挙げられます。
このようにERPパッケージによって機能の差が大きい領域において、導入パートナーがどのようなソリューションを提案するか、標準機能では実現できない要件に対して、どういう対応を提案するか、その費用はどの程度か、をRFPへの回答で確認します。
こうした領域ではERPパッケージ間の差異が出やすいため、ライセンスコストの交渉がしやすくなるとともに、導入パートナーの提案力の評価も、しやすくなります。

それではまとめにはいります。
1. ERP導入パートナーから費用見積もりを含めた提案を取得するために、RFPを作成します。
2. 見積もりを取得するためRFPには、①想定する業務方式、②必要となるインターフェース、③想定する機能要件、を依頼先に明示する必要があります。
3. その中でも想定する業務方式を簡潔に、かつ具体的に示すことが、ERPのライセンスコスト交渉を優位に進めるうえで、重要です。
4. 品目などのマスタの持ち方、原価の積み上げ方、複数拠点対応などは、主要なERP間でも特に差がつきやすいため、想定する業務方式を必ず明示して、導入パートナーの提案力の評価や、ライセンスコストの交渉に利用します。
