RFPでの非機能要件の作成方法

前回までの動画で、ERP更新時のRFI、RFPの作成方法や、機能要件一覧の作成方法について解説してきました。
今回は非機能要件の作成方法について解説します。

機能要件においては自社で実現したい要件をERPベンダーや導入パートナーに提示して、それに対して提案を依頼します。一方非機能要件については、自社で要件を定義するよりも、ERPベンダーや導入パートナーに対して項目を提示して、それに対して回答してもらうほうが、よい提案が受けられると思います。
それではERPの非機能要件の例をご説明します。
まず製品情報です。製品名、最新のバージョン情報、国内導入実績、これは導入済みの会社数を聞くのが良いと思います。そしてその平均導入期間を確認します。
導入サポートの体制や導入方法論の有無についても確認します。国内技術者数、パートナー企業数、トレーニング制度の有無、マニュアルやヘルプの充実度、データ移行ツールの有無を確認します。
性能に関する確認も必要です。一般的な画面操作時の応答速度と、MRPや原価計算など、バッチで処理する機能の処理時間を確認します。
インフラについてはシステムランドスケープ、これは本番機だけでなく、開発環境をどのように用意する必要があるかも確認します。またデータセンタの所在地も確認します。
拡張性についての確認も重要です。コンフィグレーションや追加開発の自由度、外部システムとのインターフェースの方法、多言語/多通貨対応、AI連携などを確認します。
バージョンアップについては頻度、サポート期間、サポート期間終了後の延長の可否、バージョンアップ実施の際のマニュアルの充実度などを確認します。
運用管理については、稼働率、障害通知方法とSLA、サービスレベルアグリーメントでの対応内容、開発言語、構成管理ツールの有無、バックアップ/リストアの方法、データアーカイブの方法などを確認します。
セキュリティ面では、自社内に対するセキュリティと、外部からのセキュリティへの対応方法を確認します。ライセンスについては、ユーザー数や売上高といった、ライセンスコストの算定基準を確認します。

非機能要件はERPベンダーや導入パートナーに対して項目を提示して、それに対して回答してもらうほうが、よい提案が受けられると申し上げましたが、導入拠点数やユーザー数、想定データボリュームについては開示することが必要です。
このときにSAASやサブスクリプション型のライセンス形態の場合には、年ごとの増加量がわかるようにしておくことが重要です。年ごとの増加量を明示することで、ライセンスコストを最適化できる可能性があります。
想定するデータボリュームとして開示する情報としては、トランザクションでは受注伝票ヘッダ数、受注伝票明細数、購買伝票ヘッダ数、購買伝票明細数、サービス伝票ヘッダ数、サービス伝票明細数、などがあげられます。またマスタでは、品目マスタ、顧客マスタ、仕入先マスタ、生産BOM、サービスBOMなどがあげられます。

近年のERP導入や更新では、オンプレミスで構築するかクラウドで構築するか、クラウドの場合でもパブリッククラウド、いわゆるSAAS型のERPにするか、プライベートクラウドで構築するか、といった選択肢があります。
SAAS型のERPを採用する際には、コンフィグレーションの自由度、外部システムとのインターフェース方法、バージョンアップの頻度などが重要な確認ポイントになります。
またSAP以外のERPを選択する場合には、国内の導入実績、マニュアルやヘルプの充実度、データ移行ツールの有無などが重要な確認ポイントです。これらの項目でSAPが他のERPよりも低い評価になることは、おそらくないと思います。

それではまとめにはいります。
非機能要件については自社で要件を定義するよりも、項目を提示して、それに対してERPベンダーや導入パートナーから回答をいただくほうが、よい提案がいただけます。
導入拠点数やユーザー数、想定データボリュームについては、自社の情報を開示する必要があります。
SAASやサブスクリプション型のライセンス形態の場合には、ユーザー数やデータボリュームの年ごとの増加量も開示することで、ライセンスコストを最適化した提案がいただけます。
SAAS型のERPを候補としている場合には、コンフィグレーション(設定)の自由度、外部システムとのインターフェース方法、バージョンアップの頻度などの確認が重要です。
SAP以外のERPを候補としている場合には、国内の導入実績、マニュアルやヘルプの充実度、データ移行ツールの有無のなどの確認が重要です。
